本家伴久 [栃木・湯西川温泉]

２００２年まで監獄だったヘルシンキ
（フィンランド）のプリズンホテル
[Hotel Katajanokka]や、スペイン
のパラドールなど、ヨーロッパには宮殿
や城砦、邸宅、修道院などを再生した
ホテルが多い。
「本家伴久」は、取り壊される運命に
あった「金崎小学校」「西中学校」に
使われた歳月を経たたくましい古材と、
湯西川財産区の山林からきりだされた

樹齢４００年を超える姫小松などの銘木で創られた宿である。この顛末は、２４
代当主・代表取締役伴玉枝著「かずら橋を渡って」（株式会社日刊現代刊）に詳
しい。
　
吹き抜けロビー・ラウンジの巨きな銘木や古木に囲まれて、１０００年を生きた
花梨の大テーブルで味わう一杯のコーヒーは、格別。太い自然木の粱や柱、土壁
など、廊下や階段、客室などはいずれもまさに異次元空間。
半世紀以前の深山の宿を知り、子供や孫などに宿泊体験させておきたい多くの方
々が「本家伴久」に宿泊している。深山にもかかわらず外客が多い。
弱アルカリ性単純温泉掛け流しの「藤鞍の湯」「薬研の湯」などに身をゆだねて、
若葉、紅葉、魚影、小鳥のさえずり、虫の音、満天星などが奏でる四季折々の深山物語を堪能し、冬季、湯西川対岸に作られる
氷爆をじっくり観れば、日ごろの疲れがトロトロととけていくのが実感できる。
徳島県祖谷峡谷の、平家末裔の匠の手になる野趣満点の「かずら橋」をわたり、「隠れ館」でたのしむ囲炉裏料理、朝食ビュッ
フェで味わう山菜料理は、「本家伴久」ならではのオリジナルである。２２世紀の深山料理へ、食材・献立・会場設営・調度備
品・おもてなしなど、さらに深化していくだろう。

客室数４８室　外客対応　ペット対応　夕食：炉辺食事処　朝食：ブッフェ

●東武／会津鬼怒川線　浅草〜鬼怒川温泉〜湯西川温泉駅下車
　路線バスで約３０分